言語聴覚士ママのBlog/子どもが育つ魔法のことば vol.01
「ことば」を育てるかかわり方
こんにちわ、言語聴覚士ママ、ハグクミです。
みなさん「ことば」をどうやって学んだか覚えていますか?知らないうちに話せるようになっていた方がほとんどだと思います。そのため、ことばの習得方法なんて、覚えていない&言語化できないかのが一般的です。でも、いざ親になったらふと湧いてくる疑問…「子どもにどうやって言葉を教えたらいいの?」「言葉が遅い気がするけど、どうすればいいの?」などなど。そんな、ことばの習得に対する不安や疑問を言語聴覚士ならではの視点で、わかりやすく解説します。
この記事では、確かなエビデンスのもと、遊びながら子どもにことばを習得させていく方法を具体例と共にご紹介します。よかったら最後まで読んでくださいね♪
そもそも「ことば」って何?どうやって育むの?
辞書によると「ことば」とは、“音声や文字などにより表され、特定の意味を伝達する手段となる表現およびその体系のこと”と記載があります。では、ことばさえ習得すればコミュニケーションが成立するのでしょうか?ーいいえ、違います。
言葉が記号として体系化されたものが「言語」となり、それを使用して人と人はやり取りを交わすことが出来ます。このやりとりがいわゆる「コミュニケーション」となります。コミュニケーションは、話しことばだけではなく、声のトーンや速度などの言語の周辺的側面や表情や視線などの非言語情報を組み合わせて行うことになります。
我が子には「コミュニケーションが成立することばを習得させたい!」そう思う親御さんも多いと思います。コミュニケーションが成立することばを習得するには、関わる大人の存在が不可欠です。シーンに合わせたことば、声のトーンや顔の表情、そして事象の内容から子どもはことばを学習します。つまり、大人と子どもが相互に反応し合う経験が、ことばの習得には必要なのです。
余談ですが、行政などで頻繁に「お子さんといっぱい関わってあげてください」と言われますよね。ママになってから勉強して言語聴覚士になった私は、はじめての子育てに行き詰り行政へ相談した経験があります。その際、とにかく関わりを増やすようにアドバイスされましたが、その理由や根拠は「?」のままでした。とってもモヤモヤした中で子育てをした経験があるので、このブログでは、なるべくわかりやすく、根拠やエビデンスも共にご紹介していければなと思います。
「ことば」を育てる簡単な方法
大人が子どもの行動をそのまま真似る
言葉を育てるための具体的な関わり方をご紹介します。まずは、子どもの真似っこをしましょう!なぜするか?それは、大人に子どもの立場を体験して、子どもになりきってほしいから。
子どもは何をしていますか?子どもになりきったら、何が見えますか?
たとえば、子どもが座ってじっとおもちゃを見つめている場合、似たように近くに座ってみましょう。子どもが手を動かしたら、自分も手を動かしてみる。そして、子どもの目線の先を確認して、自分も同じ方向を見てみましょう。大切なのは子どの立場を体験すること。子どもは何を見て、何を感じているのだろう?そんなワクワクした気持ちで真似っこしてみましょう。自分の真似っこをしてくれる大人が近くにいることは、子どもにとって、とても良い刺激になります。
子どもの気持ちや行動をことばに代弁する
言葉を育てるための2つ目の具体的な関わり方をご紹介します。
子どもになりきったら、何を感じましたか?何かやりたいことなど浮かびましたか?
真似っこで見えた真実をシンプルなことばで音にして聞かせます。たとえば、子どもの視線の先におもちゃがあった場合「あ!おもちゃがあったね」と声をかけます。そして、子どもへ目線を向け反応を確認します。出来事に対応することばを音で聞くことで子どもは言葉を学習していきます。慣れてきたら「赤いおもちゃだね!」など、少し言葉を補足するのも良いです。ここでも忘れてはいけないのが、子どもの反応を確認すること。子どもの表情に合わせて「おもちゃで遊びたいね」など、気持ちを代弁する言葉へステップアップしていくのもおもしろいですよ。クイズ感覚で楽むのがオススメです。
まとめ
言葉を育てるかかわり方
・大人が子どもの行動をそのまま真似る
・子どもの気持ちを代弁する
「言葉を育てたい、言葉が遅い」そんな時にはまずこの2つから、試してほしいです。
言語聴覚士が療育など支援をするときも、まずは観察からはじまります。子どもに関わる身近な大人が、子どもになりきってみることから始めるとよいと思います。大人の働きかけで子どもの持っている力を最大限に引き出すことが出来るといいですよね。これからも、子育てがおもしろくなる確かな情報を少しずつ発信していきたいと思います。
参考・エビデンス
子どもと大人が相互に反応し合うことで、学習とコミュニケーションを促進させるインリアル・アプローチ/INterREActive Learnig & Comunication言語心理学的技法の一部をご紹介しました。ことばの発達には個人差があり、最適なアプローチ法も個人により異なります。今回は、あくまでもひつの例としてご紹介しました。ご質問やご感想などは、お気軽にコメントください。
ライター
2児の母、言語聴覚士
不妊や流産を経て、第一子を早産で出産。ひどい癇癪や発達に関する悩みが尽きず、子どもの力を引き出すための声掛け方法などを調べはじめる。本格的に子どもの発達について学ぶために、子育て中に復学し言語聴覚士免許を取得。専門家による正しい情報発信、気軽に相談ができる場所の提供を目指してハグクミラボを開設。