子どもが新しいことを覚えたり、昨日まで難しかったことが少しできるようになったりすると、成長を感じますね。こうした学びには、経験に応じて脳の働きやつながりが変化する性質が関わっています。これを「脳の可塑性(かそせい)」といいます。ただし、子どもの行動の変化をすべて脳の成長だけで説明できるわけではありません。研究で分かっていることと、家庭で大切にしたい視点を整理します。

この記事でわかること

子どもの脳は、経験や学びに応じて働きやつながりが変化する性質を持っています。この記事では、脳の可塑性の基本と、日々の経験を支える関わり方をわかりやすく整理します。

  • 脳には、経験に応じて変化する性質がある
  • 日々の経験は、安心して試せる環境の中で積み重なる
  • 行動の変化には、いろいろな理由がある

01脳には、経験に応じて変化する性質がある

脳の可塑性(かそせい)とは、経験や学習などに応じて、脳の働きや神経のつながりが変化する性質のことです。発達中の脳についてKolbとGibb(2011)がまとめたレビューでは、脳の発達は遺伝的な要因だけで決まるのではなく、経験や環境など複数の要因が関わることが整理されています。研究では動物研究を含む幅広い知見が扱われているため、すべてをそのまま個々の子どもに当てはめることはできません。

POINT脳の可塑性(かそせい)とは、経験や学習などに応じて、脳の働きや神経のつながりが変化する性質のことです。

02日々の経験は、安心して試せる環境の中で積み重なる

遊び、人とのやりとり、体を動かすこと、絵本を見ること、身の回りのことを自分で試すこと。日々の経験は、子どもが世界を知る機会になります。特別な教材や毎日の訓練を完璧に行うことだけが大切なのではありません。子どもが興味を持ったことを一緒に楽しみ、安心して試せる時間をつくることも、学びを支える環境の一つです。

POINT遊び、人とのやりとり、体を動かすこと、絵本を見ること、身の回りのことを自分で試すこと。

03行動の変化には、いろいろな理由がある

できることが増えた、集中できた、急にやりたがらなくなった。こうした変化には、経験や学びのほか、疲れ、体調、睡眠、環境の変化、課題の難しさなども関わります。行動だけを見て「脳が成長した証拠」「後退している」と決めつけないようにしましょう。以前できていたことが難しい状態が続くなど、気になる変化があるときは、専門家に相談することも大切です。

POINTできることが増えた、集中できた、急にやりたがらなくなった。

04家庭でできるのは、経験を楽しみ、子どもの反応を見ること

子どもが何に興味を持つかを観察し、少しだけ挑戦できる機会をつくる。難しそうなら手助けを増やし、慣れてきたら見守る。うまくいったかどうかだけでなく、楽しんでいたか、どんな支えがあると取り組めたかにも目を向けてみましょう。子どものペースを尊重しながら、安心して経験を重ねられることが大切です。

POINT子どもが何に興味を持つかを観察し、少しだけ挑戦できる機会をつくる。

まとめ

脳には経験に応じて変化する性質がありますが、子どもの行動の変化にはさまざまな要因が関係します。安心して試せる環境を整え、その子のペースに合った経験を重ねていきましょう。

  • 脳には、経験に応じて働きやつながりが変化する性質がある
  • 安心して試せる環境と、子どものペースに合った経験を大切にする
  • 行動の変化を一つの理由だけで説明せず、子どもの様子を丁寧に見る

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